連載コラム

 『あるマンション販売会社と建築会社との闘いの記録』
   (管理組合コンサルタント業をはじめた訳)

 第五回

  ◆駐車場収入がなければ破綻する予算計画


 ●各戸負担の管理費が安く抑えられていたカラクリ!

 さらに決算書を読み込んでいくと、驚くべきカラクリがあきらかになった。管理会社が作成した決算案、予算案によると、駐車場の収入が全額一般会計収入に組み込まれている。私達区分所有者が月々払う管理費は12万円〜16万円と平均的な額におさめられている。この総額は年間約450万になる。
 ところが、管理会社に払う管理委託費用だけでも総額520万にもなる。電気代などの運営経費を入れると730万円にもなる。このマンションの予算は最初から280万円もの赤字になる逆ざや予算になっているのだった。そしてこの赤字を埋めるために駐車場収入をあてていたのだ。管理会社が財務内容の公開を渋ってきた理由がようやく理解できた。もしも設立総会の時に、この事実を明らかにしていれば設立総会も大荒れになっていただろう。そして、設立総会が8ヶ月も遅れた最大の理由もここにあったのだと思う。

 ●8月1日、理事会に他の管理会社の見積もりの提案をする。

 住民集会で独自に他社の見積もりを依頼した区分所有者(第二期の理事長となったMさん)もあり、その人とだぶらないように別の管理会社を探す事を理事会で提案した。理事長は「管理会社の変更は必要無い、話し合いで解決する方が得策」と主張した。その後、理事長と私との間で管理会社の変更問題に関して深刻な対立を招くことになるのだが、とにかく見積もりをとることは承認された。理事長は現在の管理会社にも値下げの見積もりを求める事を提案した。同時に、管理会社が持っていた通帳と印鑑の返還も承認された(印鑑は理事長が、通帳は財政担当理事が保管)。そして修繕積立金通帳の記帳記録から管理会社に背任ともとれるお金の流用が明らかになった。

 ●修繕積立金の通帳記録から通帳には、入居時の修繕積立
  一時金しか振り込まれていないことが明らかに

 本来毎月の修繕積立金は定期的に通帳に振込まれるのが望ましい。修繕積立金はあくまでも将来のマンション修繕のために積立てられているお金であり、取り崩しには管理組合総会での承認が必要だと管理規約にも明記されている。ところが、管理会社は98年10月の段階で駐車場収入不足から、管理運営費が赤字になっていることを知りながら、99年の設立総会でこの事実を報告するどころか、不足分を修繕積立金から勝手に流用していたのだった。理事会の際に管理担当者S氏にこの件をただすと、「流用ではなく一時立て替えだから問題ない」と答えた。私は理事にたいして97万もの赤字の責任は管理会社にあることが明白になった以上全額の返還を求めるべきとの意見を述べた。理事長も、さすがにこの件については管理会社をただす必要があると認め、返還方法を含め管理会社に申し入れると約束した。

(以下次号)